朝、ラジオを聴いていたら、お坊さんがこんな話をしていました。
「賽の河原で、子供たちが遊んでいると鬼がやってきて子供たちを連れ去ろうとする。すると、お地蔵さんが現れて子供たちを匿い、鬼たちは諦めて去っていく。また子供たちが遊び出すと、また鬼がやってきて、またお地蔵さんが子供たちを匿う。お地蔵さんは決して鬼たちを退治しようとはせず、何度も子供たちを鬼から守る。何故か?お地蔵さんは、鬼がこの世界からいなくならないことを知っているからだ。お地蔵さんは、子供たちに鬼から逃れる術を教えているのだ。」
なるほど、と思いました。
この世から悪いものがなくなれば、素晴らしい世の中になる。でも、悪いものがなくなることは決してなく、悪いものから逃れる術を私たちは身に付けなければならない。
これは病においても同じこと。
以前、ブログで病気の原因として邪気(鬼)の話をしましたが、まさに邪気はなくなることはありません。お地蔵さんに従えば、私たちは邪気と戦うのではなく、邪気から身を守る術を知る必要があるということです。
「西洋医学と東洋医学違い」
この邪気に対する考えは、同じ医学でも全く違い、両者を比べるわかりやすいポイントです。
西洋医学は、邪気(病気)は悪者、自分の体から邪気と追い払おう!と根絶を目指します。
東洋医学は、邪気だけでなく必ず自分の体(正気)にも問題があるとして、両方の調和を目指します。
みなさんは、陰陽マーク(太極図)をご存じですか?
この図では陰と陽、そして世界のあらゆるものを表現していと言われていますが、黒の中には白い点、白の中にも黒い点があります。この小さな点は、あらゆるものは完全に黒・白にはならないということを表しています。
つまり、人の体も完全に邪気のない超健康体になることはないということです。
「弱肉強食?」
確かに、強い体・若い体では邪気を追い払い、邪気を弱めて健康でいることが可能です。
しかし、幼かったり、老いてしまったり、弱かったりする体の場合はどうでしょう?邪気を追い払っても、また邪気がやってくる、いつまで経っても健康にならない。そんな状態が続いてしまいます。
当院にくる患者様のでもそのような状態の方々が多いです。いろいろ治療しているが全く良くならない、処方される薬ばかり増えていく。これは、元の体は問題なく病気さえ治せば大丈夫という治療になっているからではないでしょうか?世の中の仕組みが社会全体を含めて、強いことが前提の弱肉強食化してしまっていることの現れかなと感じています。
薬を飲んだら、病院に行ったら安心なのは確かです。たった一回でとか、たった5分で〇〇が治った!とかも素晴らしいことです。しかし、それは強者であることが前提の仕組み(治療)かも、、ということも少し念頭においてみてください。お地蔵さんのように「弱者」の立場からでも健康になる病から逃れる術(心身のケア)を身につけることも重要だということをわかっていただけると嬉しいです。
東洋医学は美容と健康に役立つエッセンスの宝庫。
でも、東洋医学(主に中医学)は漢字ばかりで難しそうなイメージが・・・
このブログでは、そんな方にもわかりやすいように、学問としての東洋医学ではなく、
実際の治療現場で目にしたり・自分が経験した事例を元に、東洋医学をご紹介します。
(化粧品業界で13年、治療現場で12年の私個人の意見も含みます。)
きっと、あなたの美容や健康にお役立ていただけるはずです。
Comments